段が違いますからな、あれあの通りだ、一方が三間走るところを、一方は僅か二三尺ですからな、あれで、抜け道を見つけ出した日にゃたまりません」
「左様、奴、いつもなら、とうにその抜け道を見つけてるんだが、今日は不意を食ったもんだから、いよいよ血迷ってやがる」
「あ、やりましたぜ、一太刀あびせられた奴がありましたよ、立ちふさがった奴が一人やられましたよ。ごらんなさい、あの通りくも[#「くも」に傍点]の子を散らしたように逃げ出しました。こいつもおかしい、人が散って手薄になったのに、奴、またこっちへ舞戻って来ますぜ、何をしてるんだ。ああ、危のうござんすよ、血刀を振《ふる》って真一文字にこっちへ向いて来ましたぜ、いよいよ絶体絶命だ、何をするかわからない!」
 足軽が怖れをなして、タジタジとなるその六尺棒を、山崎がひったくって、
「がんりき[#「がんりき」に傍点]、くたびれたろう」
「え、何が、何がどうしたんだ」
「がんりき[#「がんりき」に傍点]、御苦労さまだ、その辺で一休みさせてやろうか」
「あ、譲先生ですか、人が悪い、第一お前さんが悪いんだ!」
 山崎譲は四五間離れたところから棒を飛ばして、がん
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