ばとどまらないものであります。それを引きとどめるのに、自制心《コントロール》がある。それを奨励するものに、アルコールがある。
今や、このウスノロ氏には、自制心が眼を閉じて、アルコールが活躍している時だからたまりません。
「エヘヘヘ……」
と忽《たちま》ち薄気味の悪いえみを催しながら、おもむろにこの寝台へ近づいてみました。
この際、美しい女でなくとも、単に異性でありさえすれば、好奇心を誘惑するには十二分でありますが、不幸にして、寝台の上なる女は、浮世絵の黄金時代に見る面影《おもかげ》を備えた美しい女でありました。
多分、碧《あお》い眼で見ても、美しい女は美しく見えるだろうと思う。
ウスノロ氏が、ニヤリニヤリと笑いながら、いよいよ近く寝台に寄って来るのを、軽いいびきを立てている当の主《ぬし》は、いっこうさとろうとはしません。
それに、この時はどういうものか、金椎《キンツイ》を驚かさないように、あの室で食事をした以上の慎重さを以て、徐々《そろそろ》と近づいて行き、やがて、寝台の欄《てすり》のところへすれすれになるまで来ても、じっと娘の顔を見たままで、ほとんど手放しで涎《よだれ》を流
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