つまり、その人の病気が悪いので、お雪が心配して、自分も浮かぬ色になり、楽しみにしている炉辺の閑話にも出られないのだろうと、好意に解釈したり、想像したりして、この上もなく物足りないながら、わざわざ人をやって、お雪を招こうとはしませんでした。
 ところが、一日たち、二日たつうちにも、お雪は容易にこの席へ再び姿を現わそうとはせず、そのくせ、抜け出すようにして、かなりのひとり歩きを試みて帰ることが多いようです。つまり、今まで社交を好むように見えたお雪の性格が一変して、なるべく人を離れて、ひとりほしいままにすることを好むような性癖に変ったと見れば、見られないことはありません。

         十三

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「弁信さん……
今日はわたし、焼ヶ岳を見に参りましたのよ……」
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 お雪はまたしても弁信にあてての手紙を書き出しました。
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「弁信さん……
わたしは何につけても、かににつけても、あなたの名を呼びかけずにはおられません。
その次には、いつも茂ちゃんのことが気にかかります。
茂ちゃんをよく見て下さい。あの子は気ままにどこへでも行き
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