しゃべ》り坊主の一つの癖であります。
「ですから、昨日《きのう》もああしてお前に逢えないで過ぎました、今日も逢うことができないで暮れようと致します、明日はどうでしょう……どうかして、わたしはお前をたずねだして逢いたいと思うけれども、今日ここで逢えないように、明日|彼《か》のところで逢えないかも知れません、或いは今生《こんじょう》この世で逢えないのかも知れません……といってわたしは、それを悲しみは致しませんよ、今生に逢えなければ後生《ごしょう》で逢いましょう、ね、茂ちゃん」
弁信はこういって暫く声を呑みましたが、また、ねんごろに言葉をつづけました。
「茂ちゃん、お前は後生というのを知っていますか……人間に生《しょう》を受けたこの世は長くても百年。五十年を定命《じょうみょう》と致すそうでございます。けれども生命の流れは曠劫《こうごう》より来《きた》って源《みなもと》を知ること能《あた》わず、未来際《みらいざい》に流れてその尽頭《じんとう》を知ることができないのですよ。五十年百年の命は、この長き生命の流れに比べますと、電光朝露《でんこうちょうろ》よりも、なお速《すみや》かなものだと思いませ
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