立川流――の流れは、もう少し源が遠く、流れが深いはず。
 しかし、たぶん今ごろは、千隆寺の境内《けいだい》の八葉堂の地下の秘密室では、子を求むる婦人のために、問題の祈祷がはじまったものと覚しい。
 とにもかくにも、ここで、禁制の立川流を秘密に行って、男女を集めているという風聞は、もう、その筋の検挙の手を下すまでに拡がっているというのは、本当らしい。
 お絹という女の好奇心をそそって、今宵その秘密の修法《しゅほう》の席に連《つら》なることを許したはずの、この千隆寺の若い住職というのが、なかなかの曲者《くせもの》だ。
 さあ、いよいよその秘密の伏魔殿が発《あば》かれた日になって見ると、どんな怪我人が、どこから現われて来るか、この若い住職の素性《すじょう》もわかってくれば、その秘法に心酔して、夜な夜なつどう婦人連の顔が明るいところへ出された時、世間をあっ! といわせるかも知れない。
 七兵衛は、そんな事を考えている時、下では、呉竹の間や、稲垣の蔭や、藤棚の下や、不動堂の裏あたりから、黒い人影が幾つも、のこのこと出て来ては、松の幹の下の、以前に話し込んでいた二人の前に集まると、二人の者がいちい
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