聞いては、舌をまかずにはいられません。
すべて人は、自分の持っていない知識経験には、ことに驚嘆し易《やす》いもので、その驚嘆から、嫉妬も起れば、尊敬も湧くものでありますが、田山白雲が、駒井甚三郎に大なる敬意を持ったのは、この鉄砲の手腕から起りました。
「着弾距離はどのくらいですか」
「左様、これは六百間までは有効のつもりですが……」
「従来のものとの比較はどうですか」
「それは着弾距離において、三分の一以上はすぐれているでしょう、しかし、特長はこの元込《もとご》めにあるのです、これがもう少し思うようになると、日本の戦争が一変します」
「なるほど」
白雲は銃を駒井の手から借受けて、つくづくとながめて感心をつづけていると、駒井は、ただいま船に据《す》えつける大砲を工夫中であるから、出来上ったら海上へ向けて試射をするから、見て下さいといいました。うちみたところ、瀟洒《しょうしゃ》たる貴公子であるこの人が、なかなか恐ろしい武器の製造者であることを、白雲はいよいよ驚いていると、
「短銃を一つ試験してみましょうか。西洋のピストルです、日本の懐鉄砲《ふところでっぽう》というやつですね」
といって
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