でじっとそれを見送りました。
暫く様子を見ているうちに、お雪がじっとしていられなくなって、顔色を変えて、一散《いっさん》に浅吉のいた方向に向って馳《は》せ出したのは、魂を失うたように、うろうろしていた浅吉が、今しも一本の木の枝を選んで、そこへ紐をかけたのはまさしく縊《くび》れて死のうとの覚悟に相違ありません。
あなやと、お雪はかけよって、今しも紐へ両手をかけた浅吉の身体《からだ》に抱きつきました。
お雪に抱き留められた浅吉は、それを振り解《と》くほどの気力もなく、ぐったりと草の上へ倒れて、さめざめと泣きました。
それを慰めるお雪。追々力をつけられて、死ぬまで思いつめた心の苦しみをお雪に訴える浅吉。つきつめてみると、それは嫉妬からです。あの浮気婆さんとの今までの関係を、浅吉はお雪に向ってことごとく打明け、あの後家さんの容易ならぬ乱行を、こと細かく語って聞かせました。旅役者か何かとくっついて、先《せん》の夫を毒殺したという専《もっぱ》らの評判。そのほか浮名を立てられた相手は今日まで幾人だか知れないが、いいかげんおもちゃにした後は、突き放したり、上手に切り抜けたりして――世間並みの金
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