しまいました。
立聞きをすれば三尺下の地の虫が死ぬというたとえがありますから、お雪はそれを聞きたくないと思いましたけれども、こうなってみると、後家婆さんが得意になって浮《うわ》ついた話の最中へ入るのは厭《いや》な気がしますし、そうかといって、再び浅吉のところへ引返す気にもなりません。
そこで、お雪は気をかえて、ひとり湯殿へ下りて行きました。
十七
お雪が湯から上って来た時分には、後家さんも帰ってしまっていました。けれど、それから後、この後家さんは、いよいよお雪になつこくして、お雪も悪い心持はなく往来しているうちに、どうも後家さんがお雪を、浅吉に近づけよう、近づけようとしていることがわかりました。
前の時のように、お雪が来ると、自分は座を外《はず》して、浅吉と二人だけを残して置くのが、心あってするように、お雪にも気取《けど》られるほどになりました。
そうかといって、お雪は怖気《おぞけ》をふるって浅吉を毛嫌いするわけでもありません。また別段に不憫《ふびん》がるというのでもなく、万事を心得て、あたりまえに附合っていられるほど、お雪は素直な気質を持ち合わせていま
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