の身が熱くなって、ドロドロにとけてしまいそうなんでございます、眼がまわります、苦しうございます」
五十を過ぎてあぶらぎった好色婆のために、取って押えられて、人目も恥じず、悶《もだ》え苦しむ有様は、むしろ悲惨の極であります。
久しぶりで竜之助の顔に、微笑が浮みました。
「何がそれほど苦しいのです、そんなに人を苦しめる奴は、懲《こ》らしておやりなさい」
「全く……」
男は苦しい声で叫びました。
「殺してしまいたいんですけれども、私は意気地なしでございます」
意気地なしは今はじまったことか――
その時、思わず竜之助の血が熱くなりました。一番その淫乱の後家をきってやろうかな。五十過ぎたとはいえ、脂《あぶら》ぎって飽くことを知らぬ女の肉体。きってまんざらきりばえのないこともあるまい。
そうなると、いよいよ冷然たるもので、竜之助は冷罨法《れいあんぽう》をつづけながら、
「これ、若い衆……」
「えッ」
男妾が、そのつめたい呼び声にヒヤリとします。
「お前は、本心からその女がいやなのか」
「いやでございますとも――死ぬほどいやでございます」
「その女が死ねばお前は助かるのだな、お前の力で
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