教えて上げましょうけれど、あなたは白骨の温泉へ何しにおいでなさるの」
「身体《からだ》を丈夫にするために……」
「身体を丈夫にして、何をなさるの?」
「それは……」
「身体を丈夫にして……」
「…………」
 ふと少女の立っていた燈籠《とうろう》の火が消えました。一つ消えると、すべての火がことごとく消えてしまいました。
 竜之助は、こましゃく[#「こましゃく」に傍点]れた女の子だと思いました。
 しかし、燈籠が消えては一歩も進むことができない。
「お待ちなさい、今、燈火《あかり》を持って来てあげますから」
 まもなく、蛍火ほどの線香を掲《かか》げて、以前の燈籠に火を入れると、その燈籠の形が髑髏《どくろ》になりました。竜之助は、瞬きもせずにその髑髏を見つめていると、
「あなた、その人を御存じ?」
と女の子がいいました。
「知らない」
「では、この人は?……」
 女の子は前に進んで、次の燈籠へ火を入れると、おなじような髑髏の形となりました。竜之助はそれに眼をうつし、
「やはり、知らない人だ」
「そうですか、それでは、この人は?……」
といって、女の子はまた三歩進んで、次の燈籠に火を入れると、
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