り、この道場に泊めてやることにして、もてなし[#「もてなし」に傍点]ましたから、さむらい[#「さむらい」に傍点]は大喜びであります。
机の道場にはお化けが出る……与八は初めて聞く噂だが、なるほどありそうな噂だと思いました。自分の耳に入らないだけで、専《もっぱ》らそういう噂が響いているのではないかと思いました。
そうして与八は、さむらい[#「さむらい」に傍点]のために夕食を運んで、自分は水車小屋へ帰ってしまったあと、件《くだん》のさむらい[#「さむらい」に傍点]は、やはり道場の真中に莚《むしろ》を布《し》いて坐り込み、その前には与八の運んだお膳と、それから、いつのまに、どうして持ち込んだか一升徳利を押据えて、まず一杯を試みて舌鼓を打ちました。
ほどなく一升の酒を平げ、飯を食い――終ると、膳を押片づけて、行燈《あんどん》を掻《か》き立て、謡《うたい》をうなりはじめます。
謡い終ると、立ち上って、道場の壁にかけた木刀を取って、型をつかい、つぎに、槍、棒、薙刀《なぎなた》、千鳥鎌の類に至るまで、いちいち手に取って、その型をつかい、それが終ると、肱《ひじ》を枕にして横になりました。
こ
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