するのだろう」
「山を崩して何をするのだろう」
いずれも合点《がてん》のゆかない体《てい》ですから、七兵衛が、
「車を仕掛けるのだそうでございます」
「車を仕掛ける……車をしかけてどないにしなさるのじゃ」
「車を仕掛けて、上り下りの都合のよいように致すのだそうでございます」
「じゃというて、あたらこの美しい樹木を伐り倒し、整うた山を掘り崩し……」
「つまり、お金儲《かねもう》けのためでございます」
「お金儲けのためでなければ、こんなところへ車を仕掛ける理由《わけ》がわかりません」
「けしからん」
一行のうちの、最も無口で、背が低くて、眉宇《びう》の精悍《せいかん》なのが、掘崩しの前のところまで進んで出ました。
「惜しいものです、大木を惜しげもなく伐り倒し、山の形を掘り崩し……」
七兵衛がいいますと、右の男がまたしても一歩進み出して、
「けしからん」
七兵衛は一歩しりぞいて、この男の挙動を見ました。この男は本当に憤《おこ》っているようですから、人間は本当に憤ると、生地《きじ》を隠すことができないはずだと見たからです。
掘り崩した崖《がけ》の上まで進み出た右の一人は、
「一体、そ
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