に、何の必要あってこうしてムザムザ木を伐ったり、山を崩したりするのだろう。車を仕掛けるのだといっているが、わからないことだ。もとよりこの連中は、いいつけられた通りにしているので、この連中に向って文句をいっても仕方がないが、上に立つものが、もう少し目が見えそうなものだと思いました。
話の模様では、ここの木を伐ってみていけなければ、またほかのところを、おゆるしが出ることになっているらしい。立派な山を疵物《きずもの》にして、車を仕掛けなければならない理由が七兵衛には少しもわかりませんから、コイツ山師共が、何かの口実で、木を伐って金儲《かねもう》けをするのだなと思い込んでしまいました。祖先以来荘厳にして置いた名山を、食い物にしようとする人間の浅ましさはさて置き、管理するお宮とお寺とが、これではなさけないと思います。
七兵衛は天成に近い盗賊だが、それでも、これだけの冥利《みょうり》は知っているのです。
七兵衛はまた、時として、優れたる家相学者であることもあります。
その仕事の都合上、どうしてもまず家の形勢を見てかかることから、自然に会得《えとく》した家相の知識にも、相当に聞くべきものがあ
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