った責《せめ》は免るべくもあるまい。
先祖に済まない――という家族制度の根本をなす思想は、この人を囚《とら》えて窒息せしむるに至らないまでも、決してその良心に安きを与えてはいないはず。
駒井は久しぶりで、わが家の敷居をまたいで、はじめて、この罪の執拗《しつよう》なことを強く感じました。そこで、彼は亡き父と母とのことを深刻に回想してきました。
家門の面目を生命より重しとする武士|気質《かたぎ》においては、父も母も変りはない。
その間に、ひとり子として生れたこのわれを、人並みすぐれた人にしてそだて上げたいとの希望は、世の常の親と同じこと。幸いにして、父母のこの希望は、家を譲る時まで空しくせられずに、ともかくも、このわれというものの生立《おいた》ちを、自慢にはしようとも、恥辱とはしていなかった。「駒井の家、これよりおこるべし」と人も讃《ほ》め、父もひそかに許していたこと。
頑固ながらも、目先の見えた父は、旧来の学問武芸の上に、進んで自分に洋学を学ばしめたこと。もし、父母の存生中にこの事件が起ったならば、父は必ず、われを刺し殺し、父母はさしちがえて死んでしまったに相違ない。
幸か不
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