って、これでも男のはしくれ、罰《ばち》があたりますよ」
「福兄さんに、そ言って下さい、たべていただかなくってもようござんすよ、大切に漬けておいて、梅干にしますから困りませんって」
「梅干はかわいそうですね」
「かわいそうなことがあるものか、第一梅干にしておけば、土用を越したってなんともないし、それに実用向きで……」
「あやまる、あやまる」
 金助はしきりに頭を下げて、
「若い娘が梅干気取りでおさまっていりゃあ、世話はないや」
「世話はありませんとも、梅干一つありゃほかにおかず[#「おかず」に傍点]なんか何も要りません」
「あれだ、手がつけられねえ」
 金助はまたも額《ひたい》を丁《ちょう》と打って、
「冗談はさて置き、いったい、親方という人は、今時分ドコをドウうろつい[#「うろつい」に傍点]てあるいてるんだろう、人の気も知らないで……」
「今晩は帰らないかも知れませんよ」
「え、帰らない? おだやかでありませんな、ここへ帰らなけりゃどこへ泊るんです」
「どこだか知りません」
「いい年をして、そう浮《うわ》ついてあるいては困りますって、金助が腹を立ってたって、帰ったらキットそういって下さ
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