のためにはあまりに重い。この蓋あるがゆえに、魂がこの石の下で呻《うめ》き泣いている。
 我々にとって、この重し[#「重し」に傍点]というものはかなりにこた[#「こた」に傍点]える。死して後にこた[#「こた」に傍点]えるのみならず、生ける間にこた[#「こた」に傍点]えていた。我々凡人は、単に生れどころが悪かったというだけの理由で、ずいぶん、意味のわからない重し[#「重し」に傍点]を、かけ通しにかけられて来たようである。おれ[#「おれ」に傍点]はまだ生きているし、おれ[#「おれ」に傍点]の身体は小さくとも、まだまだ充分その重し[#「重し」に傍点]に堪えられる力はあるつもりだが、お君は死んでしまった。死んで後までもこんな重い物をかぶせて、魂を幽冥《ゆうめい》の下までも咽《むせ》び泣かしむる人間というものの仕様《しわざ》の、愚劣にして残忍なることよ。
 そこで、宇治山田の米友が、高さ二丈を数える巨大な五輪塔の上によじのぼって、その風大《ふうだい》の上に足をふまえて、頂上の空輪を取ってのけようとする努力には、彼の持っているあらゆる力が一時に加わりました。
 前にいう通り、この五輪の石塔の主《ぬし
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