のやかましいのに我《が》を折って妥協を申し入れると、デモ[#「デモ」に傍点]倉もやむなく沈黙しました。
「さて皆様、よくお聞き下さりましょう、ただいまも申し上げた通り、病人と、医者と、薬の三つは、切っても切れぬもので、つまりこれが三位一体《さんみいったい》というやつ……それで病気というやつは、とりついたが最後、貴賤上下の隔てはねえ、北辰《ほくしん》位高くして百官雲の如く群がるといえども、無常の敵の来《きた》るをば防ぎとどむる者一人もなし、と太平記に書いてある」
「なるほど」
 これは弥次ではなく、豆腐屋の隠居が思わず発した感嘆詞でありました。道庵は言葉をついで、
「そこでまた薬というやつが、苦《にが》いのもあれば辛《から》いのもあって、百味の箪笥《たんす》にちゃんと納まっているが、いざ、人の腹中へ行って働きをしようという場合には、すべて平等一味のもので、こやつは店賃《たなちん》を払わねえから利《き》いてやらねえの、あれは付届けがいいから贔屓分《ひいきぶん》にしてやれとはいわねえ……」
「左様でゲスとも、薬と差配のハゲと一緒にされちゃ堪らねえ」
 道庵先生は、それを耳にも入れず、
「だか
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