かぶと》を見定めたと覚しく、
「こいつは少し当《あて》が外れた!」
やがてカラカラと大きな声で笑い出したのは、何か相当の獲物《えもの》を期待していたのに、ひっかかったのが一匹の雑魚《ざこ》に過ぎないと見たからでしょう。なるほど、夜目遠目で一見したところでは、米友は雑魚のようなものです。
「いいから通れ、通れ」
武士たるものは米友に向って、鷹揚《おうよう》に木戸を通そうとするが、お情けで網の目からおっぽり出されて、それを有難がる米友ではありません。
「お前に許しを受けなくったって通らあな、天下様の往来だ……」
天下様の往来とはいいながら、この場合において、この男は大手を振って通るわけにはゆきません。提灯を左に持って、杖槍を右にかい込んで、その円い目を、武士たるものの身のまわりへピタリとつけて、やや遠くから廻り込むようにして過ぎようとするのを、武士たるものはじっと立ってながめている。
「待たっしゃい」
米友が、ようやく半円形に通り過ぎた時分に、立っていた武士たるものが、また言葉をかけました。
「何だい」
米友は怒気を含んで答えます。
「見受くるところ、貴様は取るに足らぬ下郎ゆえ、
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