につかまって、また離れ、或る者は茂太郎の周囲をめぐりめぐって、戯れ遊ぶもののようです。
 いよいよ吹いている間に、雀も集まります。烏もやって来ます。茂太郎の傍にあって舞い踊るのは鳩だけであって、そのほかの鳥は屋根の鬼瓦や、棟の上に集まって、首を揃えてそれを見物するかの如き形が、またすこぶる妙なものであります。
 と、また、庭に餌を拾っていた鶏がしきりに羽バタキをしました。高く櫓の上まで飛び上ろうとして、翼の力の足らぬことをもどかしがるように、居たり立ったりしている鶏もおかしいが、ついには例の梯子《はしご》を一歩一歩と鶏が上って来る有様です。見ている間に櫓の上は無数の鳥で一パイになりました。
 表を通る人は足をとどめて、この家の屋根の上を見物します。裏の大尽の家の庭でも、広間でも、このことの体《てい》を認めないわけにはゆきません。
「茂ちゃん、お前また笛を吹くと人騒がせだよ」
 眠っていたと思った弁信が、下の庭から言葉をかけました。

 話が前に戻って、小金ケ原から繰出して来た人数を、浅草広小路の、とある茶屋でながめているのが山崎譲と七兵衛とであります。
「えらい景気だな」
「えらい景気
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