狭くするというほどではありません。
六枚折りの古色を帯びた金屏風が立てめぐらされたその外《はず》れから、夜具の裾《すそ》が見えるところは、多分、尋ねる人はそこに眠っているのだろうと思われるのであります。
そこで、お角はまた遠慮をしいしい、畳を踏んで六枚折りの中を覗きました。なるほど、そこに夜具蒲団《やぐふとん》は敷かれてあり、枕もちゃんと置いてありましたけれど、主は藻脱《もぬ》けのからであります。
「おや、どこへお出かけになったのでしょう」
お角はいぶかしそうに四辺《あたり》を見廻しました。それは朝起きたままで、床を敷きっぱなしにしておいたのではなく、どこかへ出かけて、帰りが遅くなる見込みから、こうして用心して出たものとしか思われません。
お銀様はいったい、どこへ出て行ったのだろう、それがお角には疑問でした。この人は決して外へは出ない人であった。自分が知れる限りにおいては、この土蔵の中を天地として、あの盲《めし》いたる不思議な剣術の先生に侍《かし》ずいて、一歩もこの土蔵から出ることを好まない人であった。それがこのごろは、こうして夜へかけてまで外出して帰るというのは、いったい何の
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