れとも連れがあったかね」
「左様でございます、おいでになった時はお一人でしたが、お出かけになる時は、どうもあれはお連れでございましょうか、それとも別々なんでございましょうか、よくわかりませんが、強力が五人ほど一緒に連れ立って参りました」
「それだ」
 山崎譲が、その時に足を踏み鳴らしました。
「どうやら、先生のおっしゃった通りの筋書でございますな」
「そうだろう、どのみち、それよりほかにはないんだ」
「それでは、出かけようじゃございませんか」
 七兵衛から促《うなが》されて、山崎譲は、
「まあまあ、待て」
 甲源一刀流の額面を仰いで、何をか一思案の体《てい》に見えました。
 七兵衛が草鞋《わらじ》の紐を結んでいると、額面を仰いでいた山崎は、
「ちょっ、どう見ても癪《しゃく》にさわるなあ」
と舌打ちをしました。
「全く、あいつは、小癪にさわる奴でございますよ。そもそも、私共が、あいつと知合いになったのは、東海道の薩※[#「土+垂」、第3水準1−15−51]峠《さったとうげ》の倉沢で鮑《あわび》を食った時からでございますがね、その時から、あいつは無暗に、私に楯《たて》をついてみたがるんで、
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