その無下な仕方を不快に思わないものはないはずです。
「左様でございますな、何とか仕方がありそうなものでございますな、せっかくの結構な額が、あれのためにだいなしになってしまいますでございますね……おやおや、お待ち下さいましよ」
 年配の方の道中師が、やはり、それをながめているうちに面《おもて》が曇ってきました。
「何だ、どうかしたのか」
 横柄《おうへい》の方のが、それを聞き咎《とが》めると、
「その次に記されておいでになるのは、ありゃ何とございます、宇津木……宇津木と書いてあるんじゃございませんか」
「そうそう、宇津木と書いてある、宇津木文之丞……」
「わかりました、わかりました、思いがけないところで、思いがけない人にぶっつかりましたよ、いやどうも、なんだか怖ろしい因縁がついて廻っているようでございますよ、驚きました」
 こう言って、例の白紙に貼りつぶされた無名の剣客の名前を、呪われたもののような眼付でながめ入るのが変でしたから、横柄な方の道中師が、
「貴様、独《ひと》り合点《がてん》で、幽霊のようなことを言ってはいかん」
「先生、この白紙をかぶせられているお方の名前を、私はちゃんと読
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