て一同から推薦され、自分もまた甘んじて犠牲になる覚悟で切り出しておきながら、老女に炙《あぶ》られて脆《もろ》くも毒を吐いてしまって、罪を一同へ塗りつけたのは甚だみにくい態度でありました。
「一同とはどなたでございます」
「一同とは拙者一同」
「何でございます、それは」
苦しがってその男は、脂汗《あぶらあせ》をジリジリと流しました。
「その一同によくそうおっしゃい、女房が御所望ならば、三千石の身分になってからのこと」
「なるほど」
なるほどといったのは何の意味であったか自分もわからずに、恐れ入ってその男は退却して、一同のところへ逃げ込みました。
いわゆる、一同の連中は、逃げ返ったその男を捉まえてさんざんに小突き廻しました。
一同を代表してというのは武士としていかにも腑甲斐ない言い分であるというので、詰腹《つめばら》を切らせる代りに、自腹《じばら》を切って茶菓子を奢《おご》らせられ、その上、自分がその使に行かねばならなくなりました。
しかし一方にはまた、老女の言い分に対して、不満を懐《いだ》くものもないではありません。女房が所望ならば、三千石の身分になってからというのは、我々に対
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