》ということが明瞭《はっきり》とわかるのでござる」
と言いながら小森は、中黒の矢を一筋とって弓に番《つが》えて、ねらいの形をして見せました。なるほど、よい形で、さすがに手練《てだれ》の程も偲《しの》ばれないことはありません。
「しかし、これは遠いところを射る時のねらい方で、もし五十間より内ならば、その節にはみな弓の左よりねらうようにせねばならぬ。流鏑馬《やぶさめ》の時、すべて騎射の時は、大抵十間二十間の際において射ることでござるから、やはり左からねらうがよろしい……かるにより近いところを射るには、押手を勝手よりも低くすること、またその時は右よりねらわずに、左よりねらうのが本式でござる。つまり遠近によりてねらいに左右の差別があることは、拙者が申し上ぐるまでもなくおのおの方も御存じのところでござろう」
「平地にて射る時、馬上にて射る時にも、その心得にいろいろの差別がござりましょうな」
と座中から問うものがありました。
「いかにも」
と小森は頷《うなず》きながら、弓から矢を外《はず》してしかたばなしをやめ、
「騎射というても、もとより流鏑馬《やぶさめ》に限ったことはござらぬ、朝廷にては五月五
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