んりき」に傍点]からいくらかの金を融通してもらいました。けれども不幸にしてその金もたちどころに、がんりき[#「がんりき」に傍点]に取られてしまいました。案の如く見事な返り討ちです。片手で自分の膝の前に堆《うずだか》くなっている場金《ばがね》を掻き集めながら、
「ナニ、今日はわっしどもの目が出る日なんでございます、殿様方の御運の悪い日なんでございます、殿様方がお弱いというわけでもございませんし、わっしどもがばかに強いというわけなんでもございません、勝負事は時の運なんでございますから、これでまた、わっしどもが裸になって、殿様方がお笑いになる日もあるんでございますから、わっしどもは決して愚痴は申しません」
場金を掻き集めて胴巻《どうまき》に入れてしまい、
「それからこの一品、どうやら、わっしどもには不似合いな品でございますが、せっかく殿様から抵当《かた》に下すった品でございますから、持って帰って大切にお預かり申して置きます……」
「がんりき[#「がんりき」に傍点]、ちょっと待ってくれ」
神尾主膳が言葉をかけました。
「何か御用でございますか」
「その刀は置いて行ってもらいたい」
「よろし
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