友さん、何をお言いだ」
「お前は、人の慰み物になっているのを、それを出世と心得てるんだ」
「エ、エ、何、何、友さん、そりゃなんという口の利き方だえ、いくらわたしの前だからといって、そりゃ、あんまりな言い分ではないか、二度言ってごらん、わたしは承知しないから」
「二度でも三度でも言うよ、お前は殿様という人から、うまい物を食わせてもらい、いい着物を着せてもらって、その代りに慰み物になっているんだ、それをお前は出世だと心得ているんだ」
「あ、口惜《くや》しい!」
「何が口惜しいんだ、その通りだろうじゃねえか」
「わたしは殿様が好きだから、それで殿様を大事にします、殿様はわたしが好きだから、それでわたしを大事にします、それをお前は慰み物だなんぞと……あんまり口惜しい、殿様はそんなお方ではない、わたしを慰み物にしようなんぞと、そんなお方ではない、わたしは殿様が好きだから」
「好きだから? 好きだからどうしたんだい、好きだから慰み物になったのかい」
「友さん、よく言ってくれたね、よく言っておくれだ、お前からそこまで言われれば、もうたくさん」
お君はこう言って口惜しがって、ついに泣き出してしまいま
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