、わかった……」
 お君は米友を押えながら、何かに気のついたような声で、
「わかった、お前は、わたしが出世したから、それで嫉《や》くんだろう」
「ナ、ナニ!」
 米友は屹《きっ》と振返って凄い眼つきをしてお君を睨《にら》みました。
「きっと、そうだよ、わたしが出世したから、お前はそれで……」
「やいやい、もう一ぺんその言葉を言ってみろ」
 米友はお君の面《かお》を穴のあくほど睨みつけました。
「そうだよ、きっと、そうに違いない、わたしが出世してこんな着物を着るようになったから、お前は世話がやけて……」
「うむ、よく言った」
 米友はお君の面を目玉の飛び出すほど鋭く睨んで、拳《こぶし》を固めながら頷《うなず》いて黙ってしまいました。
「どうしたんだろう、ナゼそんなに怖い面をしているの、わたしにはわけがわからない」
 米友に睨められたお君は、睨んだ米友の心も、睨まれた自分の身のことも、全くわけがわからないのでありました。もう一ぺん言ってみろといえば、何の気もなしにそれを繰返すほどにわけがわからないのであります。
「馬鹿! 出世じゃねえんだ、慰《なぐさ》み物《もの》になってるんだ」
「おや、
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