が大将だ」
「新徴組じゃあ、こちとらの歯には合わねえ」
「弱ったな」
「勤番の役人様が、今度はあべこべに、油を絞られて突放《つっぱな》されるという図になってはやりきれねえ」
「いやな奴が来やがった」
「全くいやな奴だ」
 二人は膝を組み合せて、折助言葉に砕いて話し合っているところへ、
「御免下さいまし、あの、山崎様が、御用済み次第お目にかかりたいとお使でございました、もしお役人様のお席にお差支えがござりますれば、望月様のお邸がお広うございますから、失礼ながらあちらへお運び下さるよう申し上げてみろとの仰せでござりまする」
「やかましい、用が済んだらこっちから出向いて行くと、そう申せ」
「ハッ」
「弱ったな」
「全く弱った、その山崎という奴がここへ来て、大勢のいる前で面《つら》の皮を剥《む》かれた日には恥の上塗《うわぬ》りだ」
「だから、こっちから行くと言ってやったのだ」
「向うへ行って、向うで面の皮を剥かれたって好い心持はしねえ」
「どっちへ向いても面の皮を剥かれるのは楽なものではあるまい、なんとかいい工夫はねえかなあ」
「敵を見掛けて夜逃げをするわけにもゆくめえから、どうだ一番、乗るか
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