スティックに評価されるべきだ。――さてシュナイダーの本はイタリアのファシズムを取扱っているがもう時代が古い。ダットのものはイギリスの事情を詳説しながら国際的に問題を提起した名著である。ピアトニツキーのは眼界がドイツの情勢に限定しているが、実に卓越した教訓に充ちている。だが極めて特殊な形式を持っている日本ファシズムに連関して、吾々が日頃懐いている多数の未解決な問題に対する解決の観点を、この種の叙述の内から導き出すことは、事実あまり容易なことではないだろう。日本ファシズムに関して特に要点をなすものは、ファッショ化の現象であり、「半ファシズム」や「前ファシズム」の現象なのである(そして之に連関して文武官僚や中間層の問題だ)。吾々はかねがねこれ等の基本問題をば、要点を強調するという形に於いて抽象的な定式の下に、理論的に用意して呉れないかと考えている。――処でこういう要求を充たすものが、恰も本書なのである。
 ダットはまず初めに「ファッショ化」と「社会ファシズムの諸問題」とに筆を集中している。ファシズムの所謂「定義」にとってはこの観点は必要欠くことの出来ぬものなのである。之は最近のファシズム現象
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