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政治論約十六篇、時事論評約五十四篇、人物論大小合せて六十五篇程、他に婦人論その他の雑評九篇からなっているが、見られる通り人物論が比率にして一等多い。そしてこの人物論こそは最も利き目のある毒舌振りなのだ。と共に、又この位い素直さと一種の同情とによって貫かれた人物論を他に見ることが出来ない。氏は見方を誇張もしないがまた遠慮もしない。これは個人的利害関係の介在しない場合にだけありうる批評眼だが、しかしその他に批評家の持つべき確実さともいうべき或るリアリズムがなくては出て来ない風格だ。ところで氏はこのリアリズムに、キビキビとしたユーモアまたは愛嬌で更に一段と磨きをかけている。
ありとあらゆる分野の人物を、よくもこんなに知り、よくもこんなに調べたものだという感じだ。新聞記者でなければ出来ない仕事だが、またただの新聞記者では書けないものだ。主観めいた観察のポーズなどは遙かに卒業済みであり、下手な人間学に陥ることを避けて、人物をその仕事と客観的な環境とから洗って行くところは、敬服に値いする。生きている人物の評論(棺を覆わぬ内の人物評論)として、上々のものだろう。
人物論といっても大体におい
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