村の物質的(そして恐らく精神的)条件に立脚した副業として農村工業[#「副業として農村工業」に傍点]こそ、日本に於ける科学主義工業の温床で、生産費に較べて著しく運賃の安い精密機械の部分品製造などが、最も適当であり、日本の工業をして世界と角逐させる道は之をおいてはないし、戦時に於てもこの形なら少しの動揺も蒙らずに済むという。以上は主に科学主義工業による低コスト[#「低コスト」に傍点]を証明する材料である。
ではなぜ科学主義工業によると高賃金[#「高賃金」に傍点]となるか。この証明は直接にはどこにも見出されない。唯一の理解の仕方は之を農村労働力の能率[#「能率」に傍点]に結びつけることだろう。つまり労働力の能率がよければ低コストになると共に、同じ他の条件の下では、名目上高賃金の意味を有つだろうからだ。そこで曰く「そうして其(工作機械や測定機)の使い方が単調、無味であるように製作されてある程度精密に加工されるから、農村の子女が最も適当している。」「毎日毎日同じ作業をすると云うこと、而して此の簡単な作業に、飽きることを知らない農村の子女が、農業精神で精密加工するから。」「都会の人には堪え得られ
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