ダとシュールレアリスト(第九章)、ヴァレリ(第十章)、新旧の小説(第十一章)、などに関する章は、夫々独立した評論としても読み甲斐のあるものと思う。
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(一九三七年八月・第一書房版・四六判・四一六頁・定価一円五〇銭)
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 19[#「19」は縦中横] 大河内正敏著『農村の工業と副業』


 理化学研究所及び所謂理研コンツェルンの指導者ともいうべき著者が、日本の工業政策について技術家的専門家の立場から、最近の見解の結論を叙述したものであり、書き流した風の、而も小冊子ではあるが、重大な意義を含むものと思われる。節は十二に分れているが、凡てを貫くものは「科学主義工業」の観念である。ここに出て来る一切の主要問題を、この科学主義工業の観念に結びつけて惹き出すことが出来ると私は考える。
 科学主義工業とは資本主義工業に対立させられる。第一に之は、資本主義工業の事実上の状態である低賃金高コストに反して、高賃金低コストを目標とし、現にそれを実現しているという。世間では之をなお資本主義工業と同一視して、労働力の搾取の形式であるように非難する向きも
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