が第二部であって、之も亦組織立った卓越した仕事であると考えられる。第三部は本書の半ば以上を占める本論であるが、その直接の準備となるものが第二部である。
 第三部に於てはソレル・パレート・ニーチェの三人の思想と、ファシズム・イデオロギーとの理論的歴史的関連が、詳細に又具体的に説かれている。ソレルの暴力理論・プロレタリア革命理論とムッソリーニ其の他の政治的実践・理論・との連続と背反、パレートの社会主義・経済学・理論とエリート(選良)循環説のファッショ・イデオロギー的効果、ニーチェの超人と永劫回帰理論のファッショ・イデオロギーへの貢献とその批判、などが之で、ファシズムのイデオロギー論的思想史的分析が可なりよく成功していると共に、こうした諸思想家の社会学的評論としても異彩を放つものだ。保存すべき近来の良書である。
 疑問は二つある。一つは一体ファシズムのイデオロギーなどあまり問題にならぬではないか、という一種の常識だ。併しそれは単に思想史上の関心が浅いという事を暴露する疑問でしかあるまい。も一つは本書の目標がファシズムのイデオロギーに集中している事には異論ないとしても、ファシズムに対する充分な
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