主義」とがどう結びついているかは、現代の常識としては理解出来ても、理論的な解明に乏しいようである。にも拘らずこの本は現代のインテリゲンチャの若いジェネレーションに訴える魅力に充ちている。斬然として特色の書だ。
 (一九三七年三月・刀江書院版・四六判二一一頁・一円二〇銭)
[#改段]


 15[#「15」は縦中横] 新明正道著『ファシズムの社会観』


 大体に於てすでに発表された論文を編集したものであるが、完全に体系立った著書である。第一部「イタリアのファシズム運動」、第二部「イタリアのファシズムの社会的国家的観念」、第三部「イタリアのファシスモと関連する社会的体系」と注釈(引用文献)とからなり、第一章は主としてイタリア・ファッショの政治的社会的活動の解説・特色づけ・批判・を与えたもので、本書の予備的知識を整理するという意味での緒論をなす。この部分だけを取って見ても、日本文で書かれたイタリア・ファッショ研究として高水準なもので、執筆の時期が比較的新しいということと、学究的な異論批判を通じて処理されていること、そして著者が日本に於ける最良の社会学者であることを示す冷静で緻密で且つ進歩的
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