法律・乃至抽象法)の三段階をなすとヘーゲルは書いている。
ヘーゲルによれば法律に次ぐ第二の段階が道徳性であるが、法律が社会の外部的乃至内部的強制として、法が云い表わす自由の観念にとって偶然であり、その意味で抽象的であるが、之に反して道徳性は、それに必然性の意識が裏打ちされているので、法概念がそれだけ尤もらしさを得、その意味で法概念がより具体的になったものだ。処で倫理学や常識の或る段階で道徳[#「道徳」に傍点]と呼んでいるものが、丁度この道徳性の世界のことで、之が決意[#「決意」に傍点](及び責任[#「責任」に傍点])・意図[#「意図」に傍点]と福祉[#「福祉」に傍点]・善悪[#「善悪」に傍点](及び良心[#「良心」に傍点])・の三段階を含んでいるのを見れば、この点すぐ判ると思う。決意や責任という自由意志[#「自由意志」に傍点]の問題や、幸福[#「幸福」に傍点]や健康[#「健康」に傍点]や利害[#「利害」に傍点]の問題や、善悪[#「善悪」に傍点]や良心[#「良心」に傍点]の問題は、倫理学的常識による道徳問題の凡てだったろう。
処が道徳は決してこんな処に止まっているものでは事実ないのだ
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