座で新派組や水谷八重子達が上演した翻訳劇、ハインリヒ・マンの原作で、ヤンニングスとディートリヒとが主演した映画を、更に日本で劇に直した「嘆きの天使」が、大学教授連盟からの抗議で改変して上演されることになったという事件がある。
私は映画のしか知らないが、映画によると、ギムナジゥムの謹厳な教授が、女芸人に迷って学校をやめ、一行と一緒に巡行してあるく内、母校の所在地で舞台がかかる時鶏の鳴き真似を強いられたので、発作的に発狂し、昔の教室の机に抱きついて生命をおとす、という筋である。
大学教授連盟は、この筋が教授なるものを侮辱することのこの上ないもので、特にユダヤ人排斥の目的から書かれた(?)この作を上演することは不見識の至りだから、というので厳重に歌舞伎座に抗議した。処が同座が一向取合わないので、遂に文部省と警視庁とを労わして、最後の部分を改変させて了ったのである。即ち教授が死んだ後で生徒達がアーメンを唱えることに直したのだそうだ。
一体この劇が大学教授乃至一般に教授を侮辱するものであるかどうかが、すでに甚だ疑問であるが、もし万一侮辱する結果になるとしても、自分達自身が侮辱に値いしない教
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