で食ってゆけるものは就職などは体面の問題にすぎぬ。学生であろうとなかろうと変りはない。従って又、食えないとなると学生であろうが、なかろうが又変りはないのだ。ただ学生の方は卒業まで何とか食えるという条件の下に置かれている多少恵まれた一群の民衆で、卒業を機会に「就職」の時期が家庭と社会とから指定されている人間達に他ならない。
 就職問題が併し何か学生生活にとって切実な関心となっている、と云い立て[#「云い立て」に傍点]られる意味は、勿論一般の失業問題がやかましく云い立てられる意味とは、多少違ったものを持っている。学生の就職問題の場合には、夫が学生生活を歪めるから悪いという点が、論じる人の意識の上では相当重きをなしてはいないか。純真なるべき学生の精神や、学生の好学心や、其の他其の他を傷つけると考えるから、就職難問題が何か学生に特有な問題にもなるのである。そういう意味から、現代の学生は学生らしくなくなったとか勉強しなくなったとか、或いは享楽的になっているということさえの事実(之は何と云っても事実だろう)の責任を、この就職難問題へ持ってゆくのである。
 併し勿論就職難は学生をいつもこのように無気
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