光紙背に徹するのも判りの良さも、共感の大きな能力も、理知的な自信も、皆ここから来る。文化上の本物とインチキとの見分けもこのシステムという生きた尺度から事実出て来る。システムのない者は性格がないものだから、人の真似でもしない限り、この見分けはつかない。――で良い感覚=良識という意味に於ける常識[#「常識」に傍点]は、教養の一つの内容だと云っていいだろう。之は所謂通俗常識を否定して而もその常識の壇に立ち帰ることによって、通俗常識を良識へ高めるものだ。民衆の意識を高め得るものが之だ。吾々は文化的理解についても見識[#「見識」に傍点]とか識見[#「識見」に傍点]とか、優れた見解とか卓越した意見とか云っている。教養の実質はこの辺りに横たわるだろう。
今この教養を便宜上一つの心理的能力と考えると、感覚の良さ[#「感覚の良さ」に傍点]というものになる。感覚は意欲の体系の夫々の断層だ。吾々は断層を見て或る程度まで教養という地殻を推定することが出来る。感覚はただの生れつきの素質とは考えられない、正に教養される[#「教養される」に傍点]ものだ。それには知識[#「知識」に傍点]の基本的な訓練[#「基本的な
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