柄注目に値する。減刑の主張を理由づけるためには当然、被告を賞恤・救護したり、犯罪を曲庇したりしたくなるわけだが、第一にそうした目的を持つ集会・出版・報道は法律上禁じられていること、それから第二に、裁判に関する事項に付いては請願[#「請願」に傍点]をなすことを得ないということが、指摘された。残された方法は歎願[#「歎願」に傍点]の形式だけだというのである。
請願はいけないが歎願はいいということになるらしいが、請願と歎願と法律上どう違うかは問題外としても、二つのものが実際上どれだけ区別されるものであるかを吾々は知らない。歎願でも例えば判事の論告の内に取り上げられれば実際上は極めて大きな効果があるので請願でなかったことを悲しむ理由はどこにもないだろう。最近そうした処置を合法化した判例もあるとかという話しだ。
そこで歎願[#「歎願」に傍点]の形式を持った減刑要請[#「減刑要請」に傍点]は、二十四日の陸軍側公判廷に提出されたものを見るとすでに七万人の署名の下に行われている。その後更に東京付近だけで一万六千人の署名がある。減刑歎願書一万人署名が完了した際などには、明治神宮や靖国神社へ行って祝詞
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