という社会の不可欠有用な警察機能の全部を占めるものではないのである。暴力を商売にする暴力団は之で弾圧されるだろう、だが暴力を職責とする暴力団はその弾圧など思いもよるまい。そして困ったことには暴力を職責とする暴力団は、この社会では一向暴力団というものの内に数えられていないことだ。それ程吾々の社会は幼稚なのだと見える。
 だが暴力を職責とする暴力団が警察権の対象になりにくいことには深い理由がある、ということを無論見遁してはならぬ。この社会で何かの職責を掲げるためには、その職責は結局之を国家権力から導来し、国家権威を勧請したものでなくてはならぬ。だから暴力を職責とする各種の暴力団は、終局に於て国家権力の私的複製であって、そこに事実上社会的な権威があるのである。こうしてその暴力は国家的に従って又社会的に権利を与えられ承認を与えられる。各種の半合法的暴力はここから続々として生まれ出る。これには同じく国家権力の複製たる警察権力も、無下に手はつけられないだろう。それよりも警察権力自身が又、この半合法的暴力を援用した方が途は平坦だというものであろう。裸体にして焼火箸や煙草の火をつけたり、逆さまに天井か
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