りは決して、左翼団体に対する弾圧と同じ意味に於ては、右翼運動団体に対する弾圧とはならないからである。弾圧されるのは高々右翼暴力団で、純真なる(?)右翼思想運動団体は之によって却って世間的信用を高め高級な保護を与えられる結果になるかも知れぬ。だから之は実は右翼に対する弾圧どころではないのである。――尤も之によって右翼愛国団体の顔を使って一働きやるというようなことが段々流行らなくなり、即ちそれだけ右翼というものの幅が利かなくなるので、やがて右翼団体の勢はおかげで或る程度まで下火になるだろう。元来右翼思想運動の一つの大きな要素は取りも直さず、そういう幅の利き目にあったのだから。だが之は思想的運動として右翼活動に対する弾圧とは別ものだという点を見落してはならぬ。左翼弾圧に平行して右翼弾圧の意味で暴力団狩りをやるというような考えがあるなら、粗漏も甚しいと云わざるを得ない。
 つまり今回のギャング狩りは決して、右翼弾圧というような、思想警察の外貌の下に本然的警察機能を退化させた偽似思想警察(本当の思想警察は今日左翼運動に対してしか存在しない)の仕事ではなくて、全く警察本然の警察機能にぞくするものだ
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