ればこの点益々難解になるかも知れない。一体この間バーやカフェーから学生を追い払った風紀警察によって、一等直接に実証的な被妨害感をもつものは学生自身だろう。ここでは元来が善良な併し金があって少しばかり利口でない学生の権益が、風紀警察の消長と逆比例するわけだ。そういう学生達にとっては風紀警察位い無用で又有害なものはないという風に考えられる。そして風紀警察のこの社会的の無用長物的特色は、云うまでもなく別に学生カフェー問題にだけ特有なのではない。到る処この風紀警察なるものは×××××と社会的に有害な摘発、挑発とをさえ敢えて行っている。でつまり風紀警察も、思想警察も、警察本然の機能から××た逸脱的な過剰警察だとさえ云っていいのである。之に較べると暴力団検挙は、全く警察らしい本然警察の正道を発見したものだと云わざるを得ない。
人の云う処によると、今回のギャング狩りは一種の右翼団体弾圧の意味があるというのである。或る評論家が新聞で、左翼を弾圧しつくしたので安心だが、右翼の方が危いと思っていた処、今度の検挙で安心出来たと嬉んでいたが、この人によると左翼に対しての心配も右翼に対しての心配も同じ位いの心
前へ
次へ
全402ページ中342ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング