と大学も一種の伏魔殿に類して来る。
一体大学は大学の自治とか学の自由とかという名義の下に、可なり沢山の秘密が蔵されているのが常だ。尤も官庁にはそうした秘密が沢山あるので、所謂機密費(それは軍部のが圧倒的に巨額だ)というものもあれば、閣議を初めとして各首脳部の秘密もある。議会にさえ秘密会があるという次第だ。併し大学は特に公明な学の自由に基いて初めてその自治を誇り得る建前になっているわけなのだから、その自治の手前、もう少し学内行政が少くとも学内に於ては公然としたものでなくてはなるまい。
現在の免職教授の花形は云うまでもなく美濃部達吉博士である。博士は去年すでに停年に達して退職し、名誉教授となっているから、この方は直接実質的な問題にならずにまず無事であったが、併し聞いて見ると、今までにも随分危なかしいことがあったらしい。この間聞いた噂であるが、そして噂だから私には責任がないが、併し噂があったということ自身は事実だが、前の小野塚東大総長が或る席上で、京大事件当時の※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]話を素っぱ抜いたそうである。時の文部大臣鳩山一郎氏を眼の
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