味なのか実はあまりハッキリ飲み込めないが、之も多分一市民[#「一市民」に傍点]の資格で乗り出すということだろう。
 処が実はこの「市民」という資格が甚だ困りものなのだ。なぜなら防護団や青年団やの或る者、臨時雇ルンペン、其他其他の争議スキャッブが皆「市民」の立場から発生するのだ。変な税金を取り立てられ、市議の勝手な財政政策(?)によって自由にされていながら、その破綻を瀰縫するための市当局の無茶を見て、却って忽ち市のためとか公益のためとかいう「義勇性」を発揮する。そして市民が足を失うのはとに角不正で困ることだというのだ。こうした、オッチョコチョイな「市民」は一切の市内交通が思い切って杜絶でもして本当に痛い目に合って見ない限り、交通労働争議の本当の意義が判らないだろう。
「市民」がたよりにならないとなると、之に代る資格は「軍人」である。御承知の通り、吾々日本人は、凡て市民であると共に軍人なのである。軍部は今度は絶対静観すると称して、在郷軍人の軽挙妄動を厳に戒めているらしい。之は甚だ結構な当然なことで、折角の「軍人」までが「市民」になって了って貰っては困る。――だが、元来軍人と市民とは案外仲が
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