前の防空演習には、×××××××××××たものだ。この間の防空演習では大分落ち付いて来て、×××××になったようだったが、之に眼をつけたのが市当局で、予め各区の防護団に、いざという際にはよろしく頼むと渡りをつけた。防護団とまぎらわしいものでは例の青年団というものがあるが、之は田舎だけかと思ったらこの頃は東京にもあるらしく今度は方々の区から制服を著たこれ等青年団員が出て、千数百名もの者が市電の車掌をやっているそうである。変っているのは板橋区議の九名がバスの運転を志願したことで、之等区会議員諸君は、この心掛けなら今に市会議員に出世するだろうという噂さである。
 市電従業員の一部からなる修養団の代表者などは、警視庁の特高部長を訪問して、何とか早く解決して呉れないと困ると述べて来たそうである。市民としての修養にさしつかえるからとでも云うのであろうが、労働課や調停課に行かずに特高部へ行ったのは、多分修養団が特高と仲が好かったからに過ぎないだろう。それから新聞の伝える処によると、藤沼警視総監が、強制調停の見込みが立たない時は個人[#「個人」に傍点]の資格で乗り出すかも知れないそうである。どういう意
前へ 次へ
全402ページ中254ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
戸坂 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング