つ子弟の社会意識乃至思想との間に横たわる、この唯物史観的真理を、最も早くから知っているものは教育者夫子自身なのである。(一九三四・八)
[#地から1字上げ](一九三四・九)
[#改段]


 罷業不安時代

   一、この罷業はなぜ正当か?

 東京市電気局は、市電営業による赤字年額八百万円を克服するために、今回主として市電従業員の整理を中心とする整理案乃至減給案を発表した。市会は無論之に承認を与えているのである。夫によると、第一に、従業員一万二百名全体へ一応解傭を云い渡し、之に退職手当二千万円(一人当り平均二千円)を支給した上で、全員を新規定賃金によって改めて採用するというのである。新規定の賃金というのは四割前後(最高四割五分に及ぶ)の減給に相当するのであって、之が適用される従業員数の内訳は、市電関係約七千人、自動車関係約二千人、電灯関係約六百五十人、工場倉庫関係約五百五十人である。第二は、市下級吏員の減員で、之は内勤外勤を合わせて百八十余名の整理となる。
 第一の従業員大減給の結果、市財政から三百十万円が浮き、第二の吏員の整理で四十六万円を浮かせ、その他市債の整理で三百万円、電力自
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