査に過ぎないようであるが、併し青年の九〇パーセントが青年訓練所に這入っているとか、兵隊に出れば大部分が伍長勤務上等兵になって帰って来るとかいうことが優良村の優良村たる所以になっている。だから結局、優良市町村というのは優良な兵隊を出すような市町村のことで、一種の軍人村や軍人町のことにすぎない。東京日日新聞でも全国から優良青年を集めて会合をやるそうであるが、多分之は農村の「軍人」達の集会になることだろう。軍部だけが軍人ではないということが軍人乃至軍部の強みなので、なる程国民皆兵である以上、そうある方が尤もかも知れない。
 で、軍部のファッシズムが引き潮になったと云ってファッシズムそのものが引き潮になったと思うなら夫は非常な速断だろう。ましてそれで以てリベラリズムが台頭したなどと云うなら夫は気が早やすぎる。
 一体なぜ例の治安維持法などが「改正」されようとしているのか。治安維持法を名刀のように愛撫しているわが国の識者は、外でもない専ら、共産主義者がわが国の国体を変革しやしないかと云って心配しているのである。リベラリズムが台頭して来たと云って喜んでいる、わが国の「リベラリスト」達も、この点では
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