は可なり自由主義の方向へ傾いて来たのだというのである。なる程例の一九三五、六年の危機とか、又非常時とか云う掛け声も、質問が出たり半畳が這入ったりしては気抜けがせざるを得ない。吾々は初め軍人達の号令に従って、わが国の対外政策、外交を景気づけるために非常時非常時という掛け声を掛けていた処、広田外相が出て来て云う処によると、こういう掛け声は実は広田外交にケチをつけることにしかならないらしい。荒木外交を実行するために登場して来たのが広田外相かと思ったら、荒木陸相は風邪を引いて了って、広田外相だけが健全なようである。そう考えて見るとどうも軍人の勢は衰えて、リベラリズムの世界が近づいて来たのかも知れないという気もするのだ。
 処が軍人の勢力をそんなに見縊ってはならないのである。軍人にも色々あって、現役は云うまでもなく問題ないとして、在郷軍人や青年団や青訓生其他の「壮丁」と呼ばれるものが都市や農村を通じて充満している事実を見逃してはなるまい。例えば、東京朝日新聞社の主催で陸軍省の後援による全国優良壮丁市町村の調査が最近発表されたが、調査の項目は徴兵成績、身長、体重、其他であって、要するに一種の身体検
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