を開き、戦争挑発出版物を積極的に取締ることになった。但し全面的な取締りは言論出版の圧迫となり、却って国民の理解力を稀薄にする恐れがあるという理由で、特殊のソヴィエトとかアメリカとかの国家を目標とする戦争挑発物の出版及び記事と当局の意図のように推定されそうなものや国民や列国を惑わせるような戦略戦術の出版及び記事とだけを、部分的に厳重に取締ることにしたそうである。軍人の政治理論や社会理論が世間人に取って迷惑至極であるように、世間の素人戦争、ジャーナリスト達の戦争論や戦略戦術論は、軍部に取ってさぞ有難迷惑だろう。だからお互いにバカな真似は止めようではないか。というのが、林陸相達の方針であるらしい。(折も折、文壇の荒木陸相を以て目されていた直木三十五氏が死んだ。おかげで帝国文芸院の成立やその大衆文芸班に相当する「日本国民協会」の発展などは、さし当り一寸心細くなって来たようである。但しそのお膳立てをする任務を某方面から委任されていると云われる松本警保局長は益々健在で、荒木や直木の損失を補って余りあるかも知れないのであるが。)
 政治家や評論家に云わせると、こういうような具合だから、日本の社会情勢
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