その準備であるかも知れぬ。この次の「改正」にはキット私有財産は国体と無関係だということが法文の上で明らかにされることになるだろう。その時初めて、治安維持法は「国体維持法」としての権威[#「権威」に傍点]を持って来ることが出来るだろう。
 治安維持法に「国体維持法」としての権威が具わった暁には、今度の改正案中の、先に云った「予防拘禁」の発明や、刑事手続(第三章)上の新案や、又「保護観察」(第四章)の工夫などが、至極尤もな常識に適した内容を有っていることを、人々は発見するようになるだろうと思う。
 予防拘禁というのはどういうことかと云えば、国体変革のための結社をなした犯人が刑の執行を終って釈放される場合(死刑と無期の場合は論外)更に同じ罪を犯す恐れあること顕著なる時に裁判所が刑務所内で二年ずつ句切って永久に拘禁を蒸し返えすことが出来るということである。之によって、この犯人達は転向しない限り無期徒刑に処せられるわけで、国体の尊厳を体得せしめる法律としては最も合理的な内容のものだということが判るだろう[#「判るだろう」は底本では「判るだらう」]。
 刑事手続上の新案というのは、国体変革のための
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